grift-sense

呼吸のしやすいように生きていたいだけ

おれは転職がしたいんじゃない。退職がしたいんだ

転職したい。したすぎる。フロントエンドエンジニアになって 3 年がたったけどもう何もかもが嫌になっている。

今の会社に対する不満はもうとっくの昔に爆発して超新星になった。いまのおれは無だ。嘘だ。また新しい不満が溜まってそのうち爆発して、また超新星になるんだ。「はいはい。そんな不満を抱えてた時期もありましたね」みたいに。……何を言っているのかよくわからん。

ただ仕事がしんどくなるとおれはいつも求人サイトを徘徊する亡霊になる。green, findy, forkwell, paiza, geekjob, type, その他色々。自分のスキルを検索フォームに入力して、表示された会社をスクロールしながら眺めている。見つからない。行きたいと思える会社がどこにもない。そもそもおれは働きたくないのだ。行きたい会社なんかあるわけがねえ。

どうすればいいんだ。ふざけるな。働かないで生きていきたい。それだけで最高だ。

会社に管理されながら生きていても何も楽しくない。いまこうして求人情報サイトをぐるぐるしているのだって、lan scope とかいう監視ツールで会社に監視されている。意味がわからねえ。ディストピアか? teams で上司の愚痴を同僚に送りたいが、そのメッセージさえも監視されている。なのでわざわざ slack 入れて slack で同僚と会話しなくちゃいけない。

いや、いい。話がそれた。転職だ。とりあえず転職の話がしたい。転職についての自分の考えを言語化していきたい。不安がなんども超新星になってもそれでも転職できない自分の脳みそを言語化していきたい。こんなに転職したいのにいまだに転職していないのはもはや洗脳されているか、何かしらの病気にかかっているとしか思えない。

だから言語化だ。自分を客観的に見て、イカれているかどうか判断するんだ。この文章を友達にみせて、イカれているかどうか判断してもらうのもいい。いや、友達いないんだった。

閑話休題だ。閑話休題って西尾維新の小説と、西尾維新を好きそうなやつが使っているのしか見たことないが、とりあえず閑話休題だ。転職の話がしたい。

転職の話をしようとすると何故か別の話を始めようとしてしまう。これは本当にやばい兆候なのかもしれない。さっきからなんども転職の話題に軌道修正しようとしてもすぐにそれてしまっている。やばい気がする。本能的な何かが俺を転職から遠ざけようとしているのかもしれない。

そんなわけない。

そんなわけないからここから数十行、俺は転職について書く。転職についてしか書かない。転職についての自分の感情を言語化して列挙して整理していく。そこから始まるんだと思う。ちゃんと向き合うんだ。

まず転職ってなんだろうか。ググる。「職業が変わること」。なるほど。おれが転職求めているものってそもそもなんだろうか。新しい職場か? 賃金のグレードアップか? フルリモートワーク環境か? それもあるかも知れないけど、いちばんの理由は「とにかく今の会社にこれ以上いたくない」だ。これがおれが転職にもとめているものだ。ん? つまりおれは転職ではなく、退職したいだけなのでは?

…………。

…………。

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転職という言葉は「今の会社からの退職」と「新しい会社への就職」、この2つの行動をぎゅぎゅっと詰め込んだ言葉なんだ。なんかそれを見落としていた気がする。デカルトも言っていた。「困難は分割して考えような」。マジでそれな。おれにとって退職はゲロ吐きそうなくらい難しい。他人の目とか評価ばかりを気にして生きているハイリー・センシティブ・パーソンな俺にとっては、退職を上司に伝えるのは命がけのイベントだ。それに合わせて就職も新しい環境でまたゼロから適応作業をしていかないといけないと考えるとゲロゲロだ。こんなゲロゲロゲロゲロゲロな 2 つの行動を 1 つの単語にまとめるからなかなか行動できないんじゃないか。困難すぎるんだ。デカルトも分解しろって言ってる。

二度と転職とかいう言葉を使うのはやめよう

退職/就職、ちゃんと分離させるんだ。

まあ分離したところでどうにかなるものでもないと思うけれども、ゴールというのは鮮明なほど達成しやすいみたいなワードをこれまで生きてきた中のどこかで耳にした気がする。「転職したい!」より、「退職したい!」「就職したい!」の方がシンプルだ。すこしだけ気が楽になった気がするような気がするような気がするような気がする。

分割した。ここでなんとなく退職 → 就職という時系列を思い浮かべるが、現実世界では就職 →退職という時系列であることが理想的な気がする。就職先を決めてから、退職を伝える。保険だ。思えばこの構造が俺に二の足を踏み続けされている気がする。

もう仕事なんてしたくないのに、退職をするためにはまず就職活動をしなければいけないなんて狂ってるとしか思えない。しかもそのハードルを超えなければ退職もできないなんて……ここは地獄か?

なので最近おれはフリーランスという路線について考えている。プログラマという仕事柄、そういう選択肢もあるにはある。ただフリーランスというのはなにかと不安だ。なぜ不安なのかといえばフリーランスは保険料や税金を自分で払わないといけないので、正社員の 2 倍稼いでトントンとか言われているのもあるし、マンションを借りたりローンを組んだりするのも難しくなるらしい。不安ばかりだ。なぜこんなにも不安なのかといえば、何も知らないからだ。税金についても、保険についても、ローンについても、何も知らん。正社員として飼いならされてきたので、そんなものに脳内メモリを割かなくても生きてこられた。

ただ、管理されたくないならやっぱりそのへんの勉強は必須だろう。退職したいだけなのに、保険や税金の勉強をはじめている自分の行動はおそらくとても自然だ。もう管理されたくないんだから、全てを自分で管理できるようにならなければいけない。ほぼ就職という選択肢は消えている。フリーランスがいい。管理されたくないし所属したくない。

社員旅行も、食事会も、飲み会も、規律もうんざりだ。

おれの時間をどれだけ奪えば気が済むんだ? いいかげんにしろよ。おれの王様はおれで、他のだれでもない。おれ以外におれをコントロールなんてさせたくない。いちいちストレスなんだよ。おれの時間に干渉すんな、おれのプライベート触んな。なんかそんな歌を長瀬が歌ってた気がする。「お前のオールをまかせるなー」のやつ。

はい。

なんかいろいろ吐き出した。

求人情報サイトを見ている。残業なし、有給フル消化、フレックスタイム、フルリモートの会社を見つける。たぶん最高なんだろうけれど、こういう会社の社員はみんな優秀そうで、応募なんてできない。そうか。自分の実力もよくわかってないから怖いんだな。

以前、不満が爆発を起こしたとき、1 件だけカジュアル面談をしてもらったことがある。自分の環境が恥ずかしくなるくらい、モダンな環境の職場だった。スクラム開発、next.js, graphql, openAPI からのコード生成、カジュアル面談してくれた人はおれにとっては早口で、地頭の良さみたいなものをひしひしと感じで、ぜんぜんついていけなくて、それでも「いっしょに働いてもいい」ってくれて、でもおれはそれを断った。

少し手を伸ばせば、労働基準法にネグレクトかましているうんちみたいな今の会社をやめる世界線までいけたかもしれないのに行かなかった。

税金のことをしらない。保険のことをしらない。ローンのことをしらない。自分自身の実力をしらない。しらないことばかりだ。しらないから、いつまで立っても不安を振り切れない。youtube に上がっている自己啓発系の動画を見まくっていた時期もあったけれど、あんなもので変われるのなら、とっくのむかしに変われてた。

デカルトは言った。「困難は分割しろ」。ここまで不安を言語化して、自分の感情と向き合って、おれは今日からなにか変わるんだろうか。別に今日、上司に「会社辞めます」ということだってできるのに、おれはそうしない。まだ次の就職先が決まってないからだ。次の就職先っていつ決まるんだ。たぶん一生決まることはない。働きたいと思える会社なんてこの世に存在しないし、おれはそもそも働きたくないんだ。それでも働かないといけないなら、消去法でマシな会社を選んでそこに就職すればいいのかもしれない。完全に不満がなくなるなんてことは無いかも知れないけれど、少なくとも今の状況よりは良くなることを信じて、次の就職先を選ぶのも悪くない気はする。でも結局どこに行っても、誰かに雇用されるということは管理されるということだ。

どうやってもそこがきつい。

社会不適合すぎる自分の性質のせいだ。

それでもなんとか呼吸がしやすいように生きていきたい。いまのところその生き方にいちばん近そうなのがフリーランスのプログラマ。別にプログラマである必要はない。ただ 3 年くらいフロントエンドエンジニアをやってきたので、自分のスキルが活かせるならプログラマかなとは思う。プログラミングは嫌いじゃない。でも仕事でのプログラミングは、責任が伴うことも多くてしんどいときもある。いちばん楽しいのは個人開発で、お金が稼げそうなアプリをつくっているとき。じっさいできたアプリがお金を稼いでも数十円くらいだけど、それでもつくっているときは楽しい。

またしても何の話だ。

いい。わかった。とにかくおれはおれの人生をコントロールしたいので、税金やら保険やらローンやら、そういう人生において非常に大事だけど今までは自分でコントロールしてこなかった単元についてきちんとコントロールできるようになるところからはじめようと思う。

自分の人生のすべてをコントローラブルにしておきたい。

寝たいときに寝て、食べたいときに食べて、遊びたいときに遊んで、作りたいものをつくって、休みたいときに休んで、辞めたいときに辞めて、始めたいときに始める。

いまは会社にいろんなものを握られている。もちろん感謝すべきところもたくさんある。保険や税金の半分は会社が負担してくれているらしい。そのぶんサービス残業してるからチャラでは? という気にならなくもない。ただそのいま会社にまかせている、アンコントローラブルな部分を自分でコントロールできようにもっていかなければいけない。

会社やめて~。